結果を残せなかった巨人の高橋監督と阪神の金本監督

結果を残せなかった

巨人も阪神も戦前からの歴史を持つ超名門球団のため、一戦必勝が求められます。巨人ファンもそうですが、特に阪神ファンはすごく熱狂的な人が多く、試合に負けたら容赦ないヤジを選手や監督に浴びせます。そのため、試合に勝ちながら、かつ若手を育成していかないといけないのが名門球団の宿命なのです。

高橋監督と金本監督はともにチームの低迷期に監督に就任し、若手の育成と試合の勝利の両立という難しいタスクを任されました。チームの低迷の原因は両チームとも明らかでした。それは、チームの強い時代を支えた主力選手の引退や能力の低下、若手有望株の不在でした。

巨人は2007年から2014年にかけてリーグ優勝6回、日本一2回という華々しい結果を残しました。その時の主力選手が、野手ではラミレス、小笠原道大、阿部慎之助、亀井義行(現在は善之)、坂本勇人、長野久義、村田修一。投手では内海哲也、杉内俊哉、菅野智之、山口鉄也、西村健太朗、澤村拓一、マシソンらでした。当時の球界の最高峰の選手たちが集っていたこの時の巨人はおそらく平成の最強チームだったと思われます。

監督の仕事

阪神も巨人には及びませんが、安定してAクラス入りを果たしていて、屈指の強さを誇っていました。主力選手が、野手では金本知憲、鳥谷敬、城島健司、平野恵一、新井貴浩、マートン。投手では能見篤史、岩田稔、メッセンジャー、スタンリッジ、藤川球児、福原忍らでした。

しかし、両監督就任時に一軍で不動のスタメンとして君臨していたのは、巨人では坂本勇人、長野久義、菅野智之、マシソンの4人。阪神では鳥谷敬、メッセンジャー、能見篤史の3人でした。加えて新たにレギュラーとなった選手がおらず、問題が山積みでした。

両監督は速やかに若手の育成に舵を取り、時間はかかりましたが巨人は田口麗斗、岡本和真、畠世周、今村信貴。阪神も大山悠輔、北條史也、陽川尚将、才木浩人、岩貞祐太など、続々と若手の芽が出てきました。試合の勝敗という表向きの結果は出ませんでしたが、両監督共に若手育成の面で大きな結果を残したと言えるでしょう。